ガソリン車とハイブリッド車はどっちが得?燃費だけの比較はNG

ガソリン車とハイブリッド車 カーライフ、万歳!
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現在販売されている車には、ガソリンモデルとハイブリッドモデルが揃えられていることが多いです。

車両価格はガソリン車の方が安いですが、燃費を考えるとハイブリッド車の方がお得に見えますよね。

そこで、本記事ではガソリン車とハイブリッド車、どちらを購入する方がお得なのかを、2024年に新車販売されている車両を例に解説します。

購入時の価格の差を、燃費の差額がいつ上回るかがポイント

ガソリン車かハイブリッド車のどちらがお得かは、基本的に購入時の差額を燃費の差額がどの時点で上回るかどうかで決まります。

加えて、ハイブリッド車にはエコカー減税が適用されるほか、同じ車種でも設計上の仕様がガソリン車と異なる部分がありますので、その点についても後半で記載します。

燃費以外の部分についても違いを把握することで、後悔しない車選びをすることができるでしょう。

年間走行距離が6,000km程度の人は、ガソリン車を推奨

計算に必要な情報とそのやり方

ガソリン車かハイブリッド車かを判断する上で非常に重要になる、購入価格と燃費について検討します。

価格はハイブリッド車の方が高いため、考え方としては「何年ハイブリッドモデルに乗れば、ガソリンモデルを購入するよりもお得か」となります。

まずは以下の点を整理しましょう。

  1. 検討している車両の、ガソリンモデルとハイブリッドモデルの購入価格
  2. それぞれの燃費と想定するガソリン代
  3. 普段の年間走行距離(または見込み)

計算は以下のように行うと簡単です。

① 1kmあたりのガソリン代 (ガソリン代 ÷ 燃費)を2モデル分計算する
② 1kmあたりガソリン代の差額(①で求めた2モデル分の差)を計算する
③ 何キロ走行すれば購入価格を取り戻せるかを計算する(購入価格の差額 ÷ ②) 
④ 何年走れば購入価格を取り戻せるかを計算する(③ ÷ 年間走行距離)

この手順で計算した結果が達成できそうであれば、ハイブリッドモデルを選択すれば良いといえます。

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具体的な車両で確認してみよう

具体的な例として、トヨタのヴォクシー(ミニバン)とホンダのフィット(コンパクトカー)でそれぞれ比較してみます。(グレードは共に最廉価のもの)

普段の走行距離については、ソニー損保が公開している「2020年全国カーライフ実態調査」で記載されている平均走行距離(6,017km)に近い6,000kmとします。
また、ガソリン代は160円とします。

【トヨタ】ヴォクシー

ガソリン車

[ 引用元は トヨタ自動車WEBサイト(https://toyota.jp) ]

グレード S-G 7人乗り
価格 3,311,740円(税金・諸費用 221,740円込み)
燃費 WLTCモード 15.0km/L

ハイブリッド車

[ 引用元は トヨタ自動車WEBサイト(https://toyota.jp) ]

グレード HYBRID S-G 7人乗り
価格 3,536,740円(税金・諸費用 96,740円込み)
燃費 WLTCモード 23.0km/L

ヴォクシーで計算

先程の計算例に沿って計算します。

① ガソリン車:160円 ÷ 15km/L = 約10.7円
  ハイブリッド車:160円 ÷ 23km/L = 約7.0円
② 1km走行毎の差額は 3.7円
③ 購入価格差 225,000円 ÷ 3.7円 = 約 60,811km
④ ③ ÷ 年間走行距離 6,000km = 10.1年

ヴォクシーでは、ハイブリッドモデルに10年以上乗って初めてガソリンモデルとの価格差を取り返せるということになります。

【ホンダ】フィット

ガソリン車

[ 引用元は 本田技研工業株式会社(https://www.honda.co.jp/) ]

グレード BASIC
価格 1,822,690円(税金・諸費用 167,190円込み)
燃費 WLTCモード 18.7km/L

ハイブリッド車

[ 引用元は 本田技研工業株式会社(https://www.honda.co.jp/) ]

グレード e:HEV BASIC
価格 2,158,790円(税金・諸費用 89,690円込み)
燃費 WLTCモード 30.2km/L

フィットで計算

同じく、先ほどの計算例に沿って計算します。

① ガソリン車:160円 ÷ 18.7km/L = 約8.6円
  ハイブリッド車:160円 ÷ 30.2km/L = 約5.3円
② 1km走行毎の差額は 3.3円
③ 本体価格差 336,100円 ÷ 3.3円 = 約101,849km
④ ③ ÷ 年間走行距離 6,000km = 16.9年

フィットでは、ハイブリッドモデルに約17年以上乗って初めてガソリンモデルとの価格差を取り返せるということになります。

2車種の計算をしてみた結果

ハイブリッドモデルで稼いだ燃費差額で、ガソリンモデルを購入した場合の差額を取り戻そうとすると、ヴォクシーで約10年、フィットでは約17年もの間、乗り続けなければならないことになります。

<注意点>高速道路を多用する場合は、ハイブリッドモデルは不利

仕事などで高速道路を頻繁に使う場合は、ハイブリッド車による低燃費の恩恵が受けにくくなります。

ハイブリッド車のシステムは、エンジンが低回転数時にモーターがアシストすることで燃費に貢献する仕組みとなっているからです。

高速領域ではエンジンが主体となるため、燃費が思ったほど伸びない結果となります。

1/3の人が同じ車に10年以上乗っている

「レスポンス」にて紹介されたナイル㈱が実施した実態調査によると、新車オーナーのうちその車に「13年以上」乗ると回答した割合が17.1%、「10年以上」と回答したは16.6%となっており、約3分の1の人が同じ車に10年以上乗るという結果が出ています。

以上の結果から、年間走行距離が6,000km程度の方は、ヴォクシーであればハイブリッドモデルを選択肢に入れることも考えられますが、フィットの場合はガソリンモデルの方が良いでしょう。

地方に住んでいて車を使う機会が多いなど、年間走行距離が10,000km以上となる方にはハイブリッドモデルの検討をおすすめします。

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燃費以外でも考慮が必要なこと

エコカー減税などの減免措置

ハイブリッド車(一部のガソリン車含む)が一定の基準を満たした場合、エコカー減税などの優遇を受けることができます。
「車両本体の価格」で比較する場合には、こうした税金についても考慮が必要です。

今回のシミュレーションでは、公式サイトによる試算を行った「購入価格」を用いましたので、購入時にかかる減税を考慮した数値となっています。

同じハイブリッド車でも、車種によってそれぞれで適用できる減税額が変わりますので、ディーラーなどで確認をしてみてください。

ここでは参考として、先程シミュレーションで出したヴォクシーとフィットの購入時に発生する税金の違いについて記載しておきます。

ヴォクシー

≪ガソリン車の税金・諸費用の内訳≫

[ 引用元は トヨタ自動車WEBサイト(https://toyota.jp) ]

≪ハイブリッド車の税金・諸費用の内訳≫

[ 引用元は トヨタ自動車WEBサイト(https://toyota.jp) ]

自動車環境性能割で 75,800円、自動車重量税で 49,200円の合わせて 125,000円減免されています。

フィット

≪ガソリン車の税金・諸費用の内訳≫

[ 引用元は 本田技研工業株式会社(https://www.honda.co.jp/) ]

≪ハイブリッド車の税金・諸費用の内訳≫

[ 引用元は 本田技研工業株式会社(https://www.honda.co.jp/) ]

自動車環境性能割で 40,600円、自動車重量税で 36,900円の合わせて 77,500円減免されています。

ただし、これらの減免制度は永続的に続くものではなく、自動車の取得時や次回の車検までの適用となります。

装備や荷室の広さの違い

「お得かどうか」という基準とは異なりますが、ガソリンモデルとハイブリッドモデルでその装備に違いを設けていることが多いです。

違いはシフトレバーのデザインやUSBポートの数など細々としたものが多いですが、チェックをしておいて損はないでしょう。

また、ハイブリッドモデルはバッテリーを積む必要があることから、荷室がガソリンモデルと比べて狭くなる傾向にあります。

装備と併せて、実車を見る際に確認をしましょう。

給油頻度

ハイブリッド車のメリットとして、給油の頻度が少なくなることがあります。

ガソリン代だけでなく時間も節約できます。

駆動用バッテリー交換は、今はあまり心配いらない

ハイブリッド車が発売されてしばらくは、駆動用のバッテリー交換が高額と言われていました。

現在でもバッテリーを交換するとなった場合に、ある程度の金額がかかることに変わりはありませんが、ひと昔前と比べるとその耐用年数も価格も改善されています。

トヨタやホンダなどの多くの国産メーカーでは「5年または10万km走行まで」という保証をつけていることもありますので、新車で購入した場合には駆動用バッテリーを交換しなくても大丈夫だと考えて良いでしょう。

まとめ

ガソリンモデルとハイブリッドモデルを検討する際、まずは購入価格の差と燃費の差を比較しましょう。

長く乗れば乗るほど、ハイブリットモデルを購入する方がお得となりますが、年間走行距離が10,000kmに満たない方は、ガソリンモデルの方がおすすめです。

地方都市などで、年間に10,000km以上走行される方は、ハイブリッドモデルも検討してみてください。

また、荷室の違いなどの使い勝手に関する部分も確認することで、後悔のない選択ができますので、ディーラーに行った際は確認を忘れずにするようにしてください。

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